第25章 〜番外編その2〜
そんな愛花をみて、ふっと笑う政宗
(普段のお姉さんっぷりは、どこいった?
すげぇギャップが見れたわ。可愛い。)
愛花の元に戻ると
『んじゃ、遠慮なくお茶をご馳走して
もらうわ』と、俯く愛花の頭をぽんぽんと
撫でた。
断られなかった事と、何よりもう少しだけ
政宗と一緒にいられる事が嬉しくなった
愛花は、政宗を見上げるとほっとしたように
『うん、任せて!美味しいコーヒー
御馳走してあげる!』と
無邪気な笑顔を見せた。
(///っ!不意打ち、やべえ///)
口元に思わず手をやり、目元を赤くする
政宗に、小首を傾げる愛花だったが
『それに、話たい事もあるから・・・』
ふっと視線を落とし
俯き加減で、呟く愛花。
政宗は、休憩室での愛花の言葉がよぎった。
(付き合うつもりはない・・・って言ってたな)
しかし、何を言われようとも
政宗も一歩も引く気はなかった。
これが、きっと最初で最後のチャンス。
今日を逃せば、人生に於いて
一番大切なものを失うことになる。
それだけは絶対に避けたいと
『話ね・・・聞くよ』と言いながら
無意識に握った拳には力が
入るのだった。
『さっ、どうぞ』
『お邪魔しまーす』
初めて入る愛花の部屋
初めて男の人を家にあげた愛花。
妙な、緊張感が二人を包むが
『あっ、適当に座って待ってて
今コーヒー入れるから。』
『おぉ』と言いながら、愛花の部屋を
さっと見回した。
綺麗に整頓された部屋。
本棚には、栄養学や経済学の本が
ずらっと並んでいた。
(色々と勉強してんだなぁ・・)