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また、恋してくれますか。

第25章 〜番外編その2〜


(手!なんで!)と
不意に握られた手にドキドキしながらも
『あ、あのさ、手繋がなくても急ぐし』
と、恥ずかしい気持ちに、どんどん余裕の
なくなっていく愛花。

政宗は、半歩後の愛花をみて
『言ったろ?もう、遠慮はしねぇよ。
俺は、俺のやりたいようにしてるだけ
嫌なら、手振りほどけばいいだけだろ?』
振りほどけるものなら、振りほどいてみたら?
と、確信犯のように、ニヤッと笑う。

(はっー、ほんと、そう言うとこズルいよね)

そう思いながら、愛花も手を振り解く
ことはなかった。

それから、電車に乗って愛花のマンションに
着くまで、ずっと手を繋いでいた。

マンション前に到着すると
『んじゃな、俺はここで』と繋いだ手が
解かれると、離れた手には夜風が
冷たく感じられ、思わず『あっ』と声が出た。

『ん?』と言う顔の政宗に慌てて

『あっ、りがとう、送ってくれて』と
恥ずかしさいっぱいの中、咄嗟に
誤魔化した愛花。

『おう!気にすんな、じゃまたな。』
と、手を挙げると、身を翻し歩き出した。

どうしようもない、離れ難さに
寂しくなる愛花は

『ま、政宗!』と思わず呼び止めて
しまったのだ。

愛花の声に振り返る政宗は
『ん?どうした?』

(えっ、どうしよう!思わず呼び止めて
しまったけど、どうしよう、どうする?)
呼び止めておきながら、あわあわする
愛花だったが、勇気を出せとばかりに
自分を奮い立たせ

『///あ、あのさ、上がってお茶でも
飲んでく?///』

そう言った後、自分の言葉に自分が
驚き、恥ずかしさに
眼をギュッと瞑り俯いた。

暗くて、よく見えないが愛花は
耳まで真っ赤になりながら
肩にかけたバッグの肩紐を
握りしめながらの精一杯の誘いだった。
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