第25章 〜番外編その2〜
ずっと矛盾を抱えてきたと言うことになる。
密かに想い続けてきたことに
罪悪感すら持ってしまっていた。
叶わないと言いながら、政宗にお見合いの
話が出たことへの動揺を隠せない自分。
政宗に想いを告げられて尚、手放しでは
喜べない、年上の幼なじみとしての視点。
どれも、これもが政宗を失いたくない
と言う、本心を隠した言い訳にしか過ぎない。
とどのつまり、どんな関係性であれ
政宗との関係を失いたくない。
いや、政宗を失いたくないだけだったのだ。
そんな自分の本心に気づいた愛花は
ポロポロと涙を流しながら
サンドイッチを頬張っていた。
(政宗に好かれる自信なんてなくて
でも、失いたくなくて、ずっと自分を
誤魔化してきたんだな・・・
このままじゃ、どのみち、政宗との関係は
ギクシャクして行くよね・・元には戻らないし。
どうせ失うかも知れないなら・・・
正直に、当たって砕け散る方が
スッキリするのかな・・・政宗が私を
要らないって言うまで、側にいられる?
要らないって言われたら、私は耐えられる
のかな?)
どう足掻いても、動き出した運命を
止める術などないのだ。
このまま、何もせずに自分を守る道を
選ぶのか?
それとも、自分に素直に正直になり
チャレンジする方を選ぶのか?
例え、導かれた運命の結果が同じだったと
しても、自分の意志で選んだ道なら
きっと後悔は少ないはず。
いや、後悔しないように最善を尽くせるはず。
そう考えた愛花は、自分を奮い立たせ
捕われきた、常識よりも
自分の素直な気持ちを優先しよう
そう決心したのだった。