第25章 〜番外編その2〜
これまで、一度も感じたことがなかった
政宗から拒絶されるような感覚。
その衝撃は、想像以上に愛花の心に
深く突き刺さった。
ズキンッ!!
ショックと同時に、潰れてしまいそうな
胸の痛みに襲われたが、悟られないように
愛花は静かに部屋を出て行った。
パタンと閉まるドアの音を背後に聞きながら
『ハッー』と、深いため息を吐き
改めて、席につこうとすると
視界に桜奈が入ってきた。
ギョッとする政宗。
桜奈の存在をすっかり忘れていたのだ。
『よっ!お疲れー、まだ、帰ってなかった
のかよ!もう、とっくに仕事上がっただろ?』
取り繕うように、席に座る政宗。
ジーっと見つめ返すだけの桜奈。
視線がやけに痛く感じる政宗は
『な、なに?』と、視線を避けるように
目を逸らしながら尋ねた。
『いえ、なんでも』とプイっと横を向き
膨れっ面になる桜奈。
『だから、なんだよー!
言いたいことあるならはっきり言えって・・・
ったく、なんなんだよ今日は!
俺が何したっつうんだよ。ハッー』
と、聞きたくも、聞くつもりもなかった
愛花の本心を聞く羽目になり、桜奈には
なんだか知らないが、不機嫌な態度を取られ
やってらんねーと言う気分になる政宗。
『さっきの冷たい態度に、ちょっとムカっと
しただけです。店長、ビクッてなってましたよ
気づきました?』
(いつもは、すんごく優しい目で店長見てる
のに、さっきはすんごく冷たい目で見てた)
『あっ?ああ、ちょっとムカついたから。
そう言う時もあんだろ?別に、年がら年中
仲良くやってられるわけじゃないんだし・・
あっちだって、ただの幼なじみな
くせに、慣れ慣れしくていい加減
鬱陶しいとか思ってるかもな・・・』
自分でいいながら、チッと言う顔をした。