第25章 〜番外編その2〜
深く傷つき、荒れる心は
自分を労わるどころか、自暴自棄へと
心の舵をきってしまう。
政宗は、まさにそんな心境だった。
いつも明るく、ポジティブな政宗からは
想像もつかないほど、後ろ向きな言葉に
驚いた桜奈だったが、政宗に言われ
反省も同時にしていた。
桜奈には、これ以上無いほど
息がぴったり合っていて、
気持ちも寄り添っているように見える二人。
けれど人の本心は分からないのだと
さっきの愛花との会話で思い知った。
なのに、また人の気持ちを考えず
ズケスケと踏み込んでしまった気がしたのだ。
『ハッー、私ってば・・・
ごめんなさい、政宗さん。
どんなに仲良く見えても、人それぞれの
気持ちがありますよね。
政宗さんの気持ちも考えず
責めるみたいなこと言ってしまって
ほんと、ごめんなさい。
あーあ、ほんと疎いなぁ私は。
そんなことも、分からないから
店長も変なこと聞いてくるって顔してたんだー
トホホ・・・』
政宗には、何の話か見えないままだが
目の前で、一人でずーんと落ち込む
桜奈。
『俺は全然、気にしてないよ。
でも、愛ちゃんに変なこと言ったって
何言ったの?』
『あっ、私が幸せそうだねって
話から店長も彼氏欲しいって
言うから何でですか?って
聞いちゃったんですよねー』
(えっ?)と驚く政宗は
『愛ちゃん彼氏ほしいって?マジで?
まぁ、べ、別におかしくはないと
お、思うけど・・・』動揺が隠せない政宗。
『ですよねー、普通、そうですよ。
そりゃ、いい人がいたら
誰だってそう思いますよ。
なのに私は、それを不思議に思って
政宗さんが、いるのになんで
彼氏欲しいんですか?とか、意味不明なこと
聞いちゃって・・・はっー』
(そっか、冷静に考えたら、めっちゃ唐突だよ
だから、えっ?って顔したんだー)
今更ながら、湧き上がる自分の言動に対する
やっちまったーと言う、後悔。
さらに、ずーんと凹む桜奈に
『えっ?なんで、愛ちゃんの彼氏云々に
俺がでてくんの?』と
愛花と同じことを尋ねる政宗。