第25章 〜番外編その2〜
ボソッと呟いたつもりだった愛花
しかし、桜奈にはしっかり
聞こえいた。
『えっ?店長も、彼氏欲しいんですか?』
意外だと言うような顔で尋ねる桜奈。
聞こえてしまってたのね
としまったと思う愛花は
『うん、そりゃいい人がいたら
私だって、人並みに恋はしたいわよ!
幸せそうな桜奈ちゃん見てたら
羨ましいような、妬ましいようなよ・・
ああ、この幸せものめぇぇぇ、』
桜奈に呪いでもかけるように両手を
挙げ、戯ける愛花。
だが、愛花が彼氏が欲しいと言うことが
余程、不思議だったようでキョトンとして
全くふざける愛花を突っ込んではくれなかった。
ジーっと愛花を見る桜奈。
挙げた両手の突っ込みがつかず
気まずくなる愛花だったが
『な、なんで、そんなに見つめるのかなぁ?
そんなに、私が彼氏欲しいのが変?』
『ああ、ごめんなさい!違うんですよ
政宗さんがいるのに、なんで彼氏なんて
欲しいのかなぁと思って・・・』
『えっ?』(なんで政宗がでてくんの?)
『えっ?』(なんか変なこと言ったかな?)
『いや、なんでそこで政宗が出てくるのか
分からないんだけど』
『えっ?だって、店長と政宗さん仲がいいから
なんで、彼氏彼女じゃないのかと、逆にずっと
不思議なくらいなんですけど?』
(あれ?私やっぱりおかしなこと言ってる?)
(えっー、私と政宗は桜奈ちゃんには
そう見えるってこと?)
『いやいや、確かに幼なじみで仲はいいけど
お互い、恋愛対象ではないよ!断じてない!
こんな年上の色気のない女を政宗が
そんな風に見るわけないよ。ないない』