第25章 〜番外編その2〜
『いつの話だよ!俺が小学生の時
だろ?』
『あれ?そうだっけ?
まぁ、あの頃から随分歳はとったけど
私と政宗の関係は、あの頃のまま
何にも変わんないわよ。
確かに、こーんなちびっ子だった政宗が
大学生で、来年は成人するとか
びっくりはしてるけど!』とクスッとする愛花。
『そりゃ、俺だって成長くらいするわ!
俺をなんだと思ってんだよ。全く!
でも、愛ちゃんには、俺はまだ
お子ちゃまにしか見えてねーだろ?』
(関係が変わんないって、男としては
見てないってことだろ?)
『そんなことないよ!ちゃーんと中身も
大人になってる。しっかりしてるし
頼りにもしてる。政宗に本当に助けて
貰ってる。そう言うところは、やっぱり
流石!社長の息子だなって、感心するよ。』
『///なっ、何?どうした急に?///』
(いつも、ダメ出しばっかなのに!)
『本当だよ!いつも本当はそう思ってる。
やっぱり、会社を引き継ぐ人は
違うんだなぁって。でね、昨日、会議の後に
おじさんに呼ばれてさ、あんた、お見合いの
話が来てるんでしょ?会社としては
申し分ない相手なのに、嫌だって
ごねてるらしいじゃない?
おじさん困って、私に何とか説得して
欲しいって頼まれたんだよ。』
『はっー!?あのクソ親父余計な事を!!』
(チクショー!まだ、約束まで時間あんのに
余計なことを!)
『まぁ、まだ大学に入ったばっかだし
私も、早いかなって思ったけど
でもさ、あんたはうちの会社の
跡取りな訳だし、おじさんも先々のことを
考えて、あんたにとっても、会社にとっても
1番いいと思う相手を選んでくれると
思うんだよね!
断じて、政宗をただの取り引きの道具扱い
するような、おじさんじゃないはずだよ。
だから、お見合いの相手に会うだけ
会ってみたら?』
(そうだよ!おじさんやおばさんが
政宗が幸せになれないような相手を
選ぶはずないよ!)
しかし、どんどん険しい表情になる政宗は
怒りとも、冷気ともつかない重くるしい
空気を纏いながら、愛花に冷たくいい放つ。
『愛ちゃん、何もわかってねーよ!』