第5章 〜知りたい〜
『いや、マジで。嫌な思いさせてまで
居候は、申し訳ないから
もし、我慢できないなら言って。
俺、今日にでも友達んち行くし』
と、困った顔をする家康。
桜奈は、自分の取っている態度が
相手にとても不快な思いをさせている
ことに気付かされた。そして今日にでも
出て行くと言われ、何故だか寂しさが
こみ上げた。
自分の態度のせいで、そう言わせてしまった
ことを申し訳なく思った桜奈は慌てて
『あ、あの、すみません。決して徳永さんが
嫌いとか、イヤとかそう言うんじゃないんです。
男の人と、一緒に暮らすってことに、慣れて
なくてと言うか、初めてなのであの、その・・
正直、どう接していいかわからなくて
あと、恥ずかしい気持ちもあって・・あの』
と言い澱み、ハッと何か、ぴったりな言葉を
捜し当てたように
『戸惑ってるだけです、そう戸惑ってるだけ!』
と、訴えるように、家康の目を見据える。
そんな、桜奈を見て
『ぷっ』と吹き出すと
『なんだよ、全然、普通に目
合わせられんじゃん。
しかも、戸惑ってるって、そんな力強く
言うセリフ?ほんと、あんたって
面白いよね』 とクスクスと笑う家康。
『///あっ///』と固まる桜奈。
(ほんとだ、恥ずかしいけど
ちゃんと、顔見れる)そう思った。
『じゃ、俺、もう暫く、あんたん家で
世話になって平気?』と笑いを
堪えながら言う家康に
『大丈夫です!遠慮しないでゆっくり
いて下さい。どうぞ!いつまででも!』
(///いつまでもって!何言ってんのー私///)