第25章 〜番外編その２〜

大学生活と同時に始まったアルバイト生活。
政宗にとっては、申し分ない環境だった。

愛花の側にいながら、愛花の助けになる。
抜群のコミュニケーション能力と
社長の一人息子でありながら
明るく、気さくで、尊大な態度など
とることのない政宗は、お客にはもちろん
同僚からも慕われた。

愛花も人事の都合で、肩書きは店長代理では
あったが、業務内容が軽くなるわけではない。

実質店長として、手探りの試行錯誤を
繰り返す中で、政宗は欠かせない
戦力だった。

そんな中で、バイトとして入ってきた
桜奈と詩織。

ふんわり可愛い系桜奈と
キリッとした美人の詩織。

全然タイプが違うのに、何故かどことなく
似ている気がしてしまう。

常連のお客様だとは知っていたが
面接で桜奈と話すと
政宗の彼女と愛花が思い込んでいた子と
雰囲気が似ている気がした。

ふんわりして、可愛いい女の子。
政宗が桜奈と話す態度を見ていても
政宗のタイプはきっとこういう子なんだろうな
と愛花は決めつけてみていた。

（私とは、全然違うもんね。
私ですら、桜奈ちゃん可愛いって
思うくらいだもん）

だが、桜奈も政宗の母と同じく
筋金入りの歴女だと会話を重ねるうちに
知ることになる。

特に、徳川家康には相当な入れ込み具合で
しかも、家康なんていう珍しい名前の子が
下宿中らしい。