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また、恋してくれますか。

第25章 〜番外編その2〜


言葉を発しないまま、何となく切なげで
ちょっと恨めしい表情を見せる政宗に

『なんで黙っちゃの?本当はなんかあった?』

(突然、結婚云々の話したりするし・・
はっ!まさか、本気の結婚願望かっ!?
しかも、私に言うくらいだから
相手は誰でもよくて、結婚だけしたいのか?)

脱力した政宗をムムムと言う表情を
浮かべながら、考えを巡らすが
自分に対する恋心が政宗にあるなどと
考えたこともない愛花に、今の政宗の心を
推察するなど、到底無理な話。

(きっと、誰でもいいから、結婚だけして
みたいのか?とか思ってんだろうな、その顔は。)
『はっー・・・』頬杖ついて、またため息を
つく政宗。

(これは、いよいよおかしい・・・
Σはっ!さては、彼女と別れたばっかりとか?
それで、寂しくなって、やけになって
私に結婚とか言い出したのか?

そう言えば、可愛い子を誕生日に
呼んでたよね。
わざわざ誕生日に招待するくらいだし
あの子と付き合ってたんだよね?)

愛花の中だけで、どんどんあらぬ方向へと
妄想が広がり続けて行く。
隣に寄り添うあの子と政宗が微笑み合う
姿を想像すると、チクッと胸が痛んだ。

だが、それ以上に長年の関係性の中で
染みついた性なのだろうか?
自分の胸の痛みより、政宗の元気のない
姿をみる方が、苦しいと感じる愛花。

『そんな、ため息ばっかりついてたら
幸せ逃げちゃうって言うじゃん!』

いつの間にか、テーブルにくたぁっと
上半身を預けるように寝そべる政宗は

『じゃ、愛ちゃんが俺を幸せにしてよ』
と、愛花の人差し指をすがる様に
掴み、くぅ〜んと鳴く仔犬のような
上目遣いで見つめ返してきた。

///ズッキューン///

(な、なんだー!その反則技!!)

普段の政宗からは、想像できない
甘えん坊な姿は、愛ちゃん、愛ちゃんと
自分を追いかけてきた幼い頃を
彷彿とさせる。
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