第25章 〜番外編その2〜
そんな愛花を見ながら
『美味いだろ、ここのケーキ。俺のオススメ
って言うか、お袋のオススメだけどな』
政宗を見て、うんうんと頷く愛花。
(確かに今の現状では、恋愛にも男にも
興味なさそうなのは分かるわ・・・
でもな、俺には時間ないし、この先愛ちゃんに
どんな出会いが待ってるかもわかんないし
気が気じゃないんだよなぁ)
強引にこじつけたような、プロポーズを
あっさり断られ、ダメージがじわじわと
政宗の心に広がって行く。
今日は、新しいカフェの下見だけの
つもりだけで、なんの準備もしていない。
こんな話をつもりなど、これっぽっちも
なかったのに、愛花を目の前にして
1日でも早く射止めたくて、欲がでた。
満足そうな顔で、観察してはケーキを
食べる愛花を見つめながら
盛大なため息をつく政宗。
『はっー(大失敗だ)』
『なに?どうしたの?』
『愛ちゃんさぁ(俺のこと、男としてみてくれた
ことある?)・・・』後半は、言葉に
ならなないまま、愛花をじっと見つめた。
もし、全くないと言われたら、前向きな
性格の自分でも、流石に最後のトドメになり
心が折れるかもしれないと、怖くて
言葉にできなかった。
『だ、だから、なによ?』
(なんで、そんな切なげにガン見すんの?
今日の政宗は、なんか変。
なんか、凹んでる?)
『・・・(ダメだな、何言ってもガキの
戯言にしか、聞こえねー気がしてきた)』
と言葉が出てこない。