第25章 〜番外編その2〜
『弟とか、幼馴染とかじゃなくて
政宗の年齢で、結婚を考える方が
変だし、信じられないって言ってるんだよ。
そんなの、冗談か、揶揄ってるとしか
思えないじゃない。
いくら小さい時に、約束したって言ったって
何にも分かってない子供の頃のことだし。
仮に、もし、もしも本気で約束を守ろうと
してくれてるとしたら、その気持ちは
嬉しいけど、でも、その気持ちに私は
応えられないよ。ごめんね』
政宗が幼い頃の約束に拘っているだけ
だと思った愛花は、何故それに拘るのかは
分からなかったが、正直な気持ちを政宗に
伝えた。
『はっー、やっぱり信じて、貰えないか。
そりゃ、そうだ。まだ18のガキにそんな
こと言われても、信じられる訳ないか・・・
ハハハ(やっぱ、ダメかー)』
今まで、前のめりで話をしていた政宗は
脱力したように、椅子の背もたれに
身体を預けると、両手を頭の後ろで組んだ。
『いや、冗談でも気持ちは嬉しいよ・・・
気持ちはね!行き遅れそうな私を
心配してくれたんでしょ?
でも正直、今は結婚願望とか全然
ないもん。自分の店持ちたいし・・・』
そう言った愛花の言葉に反応する政宗は
また、前のめりの姿勢に戻り
『えっ?愛ちゃん、独立すんの?』
店自慢のケーキを食べようと
していたが、政宗の反応に
ケーキを口に運ぶ手が一瞬止まり
『あれ?言ってなかっ・・・ああ、言って
なかったね。うん。今の私の夢だよ
自分のお店を持つことを目標にしてるから
今のところ、仕事が恋人で、恋も彼氏
全然、必要性感じない』そう言いながら
パクリと一口ケーキを食べると『!!!』
びっくりするほど美味しかった。
ケーキの皿を目線に持っていき
念入りに観察する愛花。