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また、恋してくれますか。

第25章 〜番外編その2〜


それから、カフェの花壇に腰掛け
スマホをいじっていたが
15分もしないうちに
愛花が戻ってきた。

『お待たせ。よし!じゃ行きますか?
で?青年よ!何が食べたいかね?』と
戯けながら、にっこり微笑む愛花を
見上げるのは、久しぶりのような
気がした政宗。

小さな頃と同じ笑顔で、自分に笑いかける
愛花が眩しかった。

それから、何を食べたいと聞かれてた政宗は
『愛花』と本音をボソッと漏らし、うつむいたが
また顔を上げ、にっと笑うと

『やっぱ、肉でしょ!』と立ち上がった。

視線の位置が逆転する二人。

『えっ?焼肉!昼から?』

『昼の方が、ランチとかやってて
お得たぞ?知らないのか?
じゃ、さっさと行こうぜー
俺のお財布ちゃん』
と、愛花の手を握るとスタスタと
歩き始める政宗。

(な、な、なんで、手繋ぐの!?///)

あたふたする愛花をチラッとみて
クスッとしながら、当然のことのように
しれっとした顔で

(もう、遠慮はしねぇから。)
心の中では、そう呟いた。

『ま、政宗!別に手なんか
繋がなくても、良くない?』

どぎまぎしながら、政宗にそう訴える
愛花に
『あれー?昔は、逸れるとダメだからって
自分から手繋いでくれたのに
愛ちゃんも冷たくなったなぁ

可愛い弟分が、見知らぬ街で迷子に
なってもいいんだ』とクスッとしたが

『いくつの時の話よ!』とツッコミを入れる
愛花には、お構いなしの政宗。

愛花も、ドキドキと嬉しさを隠しながら
(まっいっか)と、それ以上は
何も問わなかった。

たくましく成長し、見上げるほどの
身長になった政宗に手を引かれるように
半歩後ろを、歩く愛花。

(何もかも逆転していくな・・・
私の後ろをついてきた、小さな政宗では
もうないんだよね・・)

政宗の後ろ姿を見上げる愛花は
自分が置いて行かれるような
寂しさも同時に感じてしまうのだった。
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