第25章 〜番外編その2〜
そして、一つの疑問が頭をもたげる。
『ん?じゃ、私はどうやって水飲んだの?』
そっと、自分の唇に触れてみた。
熱で乾燥し、カサカサになった唇に
確かに柔らかいものが当たった感触と
水を飲んだ記憶がある。
(あれ〜・・おかしいな。
いやいや、まさか。いくら熱出ても
そんな見境ない飲ませ方なんか・・・
あいつなら、するかもー///)
想像しただけで、また熱が上がりそうに
なる。
そう、愛花が想像した通りの
飲ませ方で、政宗は愛花の
ファーストキスを奪っていった。
愛花の母が部屋に戻り
熱が微熱まで下がっているうちにと
汗でびっしょりになった身体を拭いてもらい
着替えてを手伝ってもらった。
その時は、下ろした髪で
母にもよく見えなかったが
首筋を指差し『虫指され?湿疹かな?』と
言われた場所があった。
愛花は、湿疹かな?と流していたが
触れても、痛くも痒くもない
しかし熱が落ちつき、シャワーに入った
時に、赤みの正体がやっと分かった。
髪を上げ、母に指摘された首筋を
確認すると、確かに赤い斑点があったが
近くでよくよくみるほど
愛花の顔は赤くなり
(あんにゃろー!病人に何してんのよー
バカ政宗ー!!潰す!)
と、1人雄叫びを心で上げる愛花。
同じ頃、愛花との強引なキスを思い出し
ほくそ笑む政宗。
朦朧とする愛花に口移しで水を飲ませた
政宗だったが、口から溢れて首筋に伝う水と
熱で火照る愛花の苦悶の表情に
反則技を受けた
(くっ、なんて顔してんだよ。やばい!
あんたは、俺のものだ、誰にも触れさせねぇ)
と、思わずマーキングをしてしまったのだ。
問題集を解きながら
(もう少し、これさえ終われば
欲しいものに堂々と手を伸ばせる。
アレに今頃気づいてキレてるか?
いや、気づいてないかも)クスクス
しながら、また問題集に視線を落とし
集中した。