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また、恋してくれますか。

第25章 〜番外編その2〜


カフェのオープンが、年明けの5月に迫る中
働き詰めだった愛花は、年末に実家に
帰った途端、緊張の糸が切れ
体調を崩してしまった。

インフルエンザでは、なかったが
過労による風邪だと診断され
ゆっくり静養するように、医師からは
釘を刺された。

病院から戻り、駐車場から母に支えられて
玄関に向かうところで、予備校帰りの
政宗と鉢合わせた。

『愛ちゃん!どうした!』
心配そうに駆け寄る政宗。

『過労がたたって、風邪ひいたみたいなの
大丈夫よ、今病院行ってお薬出してもらったから
安静にしてれば良くなるって』と
愛花の母が説明した。

『ゴホッゴホッ、大丈夫。受験生は
近づかないで。風邪うつったら大変』と
しゃがれた声で、政宗に近づかないよう
手を前に出し牽制したが、熱がかなりあり
喋るだけで、くらっと目眩がして
身体が倒れそうになる。

『あっ!』と支えきれない愛花の母も
引きずられるように、身体が傾いた
ところを、政宗が咄嗟に受け止めた。

『おばさん、俺が部屋まで運ぶわ』

『ごめんねー!あっ!そうだわ!』と
愛花を政宗に預けると、鞄から個装のマスクを
出して政宗の耳にかけた。

『風邪なんて、うつしたら
多喜子さん(政宗の母)に
顔向けできないわ。これでよし!
じゃ、申し訳ないけど、お願いします』と
言う母に

『大丈夫だから』と、母に捕まり
歩こうとする愛花をひょいっと抱き上げ
『病人は黙って言うこと聞く!』
(何が、大丈夫だ、かなり熱い。
熱がだいぶあるんだな。)
と、お姫様抱っこで、部屋まで運んで
もらったのだ。

中学生の時より、更に身長は伸びて
もう、立派な青年になっていた。
朦朧とする中でも微かに政宗の香りかし
安心感に包まれた愛花は
そのまま、意識が遠のいた。
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