第25章 〜番外編その2〜
それきり、高校生の政宗を避けるように
なった愛花。
たまに、帰ってきても
政宗の母とは、母と一緒にお茶をしたり
買い物に行ったりしたが
政宗と顔を合わせずに済むように
意識していた。
政宗からも、これと言って連絡がくる
わけでもなく、たまに会っても挨拶を
交わす程度。
もう、年上の幼馴染など
遠い思い出の一部になり
政宗は、政宗で高校生活を謳歌している
のだろう。
若者は、若い者同士で楽しむのが
あるべき姿なのだから、これで良かったのだ。
そんな風に言い訳しながら政宗への想いは
ないものとして、封印してしまっていた。
愛花自身も、仕事をしていくうちに
自分の店を持ちたいと言う、新たな目標を
持つようになっていた。
自分の夢の為に、がむしゃらに働き
恋愛など見向きもしない、仕事人間に
なって行った。
何度か、同僚から合コンも誘われたり
したが、お金も時間も惜しい愛花は
理由をつけては断った。
新規事業でパンケーキを売りにしたカフェを
オープンすることになり、当初はチーフとして
配属が決定していたが、店長の予定だった
上司が家庭の事情で家業を継ぐことになり退職。
オープンが迫っていた最中のことで
急な人事変更が間に合わず
新しい店長が配属されるまで
愛花がチーフ兼店長代理を
任されることになった。
ますます、忙しくなった愛花は
実家に帰る時間もないくらい
忙しい日々を送ることになった。