第25章 〜番外編その2〜
(えっ?何で泣いてんのよ。
情けないなぁー。望みのないことに
こんなにもショック受けるなんて。
政宗はモテるって、知ってたのに。
あんまり恋愛に興味ないんだと、勝手に
決めつけて、安心してたんだ・・・
今になって、現実を突き付けられるとは。
はっー、それにしてもめっちゃ可愛かったな
守ってあげたくなるような、ふんわりした
子だった。負けず嫌いで勝ち気な私とは
正反対だ。政宗のタイプはああいう子
なんだね・・・じゃ、同い年でも
私は、なしの方か・・はは・・
歳は、関係なかったのか・・・なんだ
全然、だめじゃん・・・)
涙をさっと拭いながら、自分が惨めに
思えてくる。
1人ぐるぐると色んなことを考えながら
自宅に戻ったが、気持ちはどんどん
沈んでいく。
『ただいまー』と力なく言うと
そのまま、二階の自室に向かう愛花。
送れて出迎えた愛花の母が
みたのは、肩を落としながら部屋に戻る
娘の後ろ姿だった。
『あら?政宗君ちで、お祝いするんじゃ
なかったの?』(ん?なんかあったのかしら?)
と、尋ねたが
愛花は、ふりかえらず階段を登る足を
止めないまま
『あー、仕事思い出して、キャンセル
してきた。仕事でちょっと時間かかるから
夕飯は、後で食べるわ』と
そのまま、部屋に閉じこもった。
仕事なんて、もちろんあの場から
逃げ出すための嘘でしかない。
自分があんなにも動揺したことに、自分自身が
一番驚いていた。どっと疲れが押し寄せ
力尽きたようにベッドに倒れ込んだのだった。
(はっー、明日、朝一で帰ろうかな。
あー、でも、せっかく帰ってきたし
お父さんやお母さんと出かけるかな・・・
あー、今は、何にも考えたくないな・・・)
混乱する自分に疲れ
いつの間にか、眠ってしまっていた。