• テキストサイズ

また、恋してくれますか。

第25章 〜番外編その2〜


『こんにちは。初めまして
私は、政宗君のクラスメイトの
高田姫香です。』

『あらあら、こんにちは。政宗の母です。
こちらは、お隣の』と紹介してくれようと
した政宗の母の言葉に続くように

『あっ、私は、政宗の幼馴染で
坂本愛花です』と、挨拶したが
愛花の胸の中に、いい知れぬ不安が
広がって行く。

(クラスメイト?もしかして、彼女?
誕生日に連れてくるくらいだもんね、
おじさんや、おばさんに紹介する為?)

いつでも自分を受け入れてくれる温かな
居場所が足元から崩れて行くような感覚に
襲われ表情が固くなって行く愛花。

『愛ちゃん、どうした?』政宗に言われ
ハッとする愛花。

『もう、なんだ!やるじゃん、政宗。
こんな可愛い子と同級生なんて
ラッキーだね!』といったが
ポカンとする政宗を直視はできず

それから『あっ!』とわざとらしく声をあげ
手をぽんと合わせると

『おばさん、私、今日中にやっとかなきゃ
いけない仕事があったの思い出した!
お休みで気が抜けて、すっかり
忘れてたよー。

ごめんなさい、今日はこれで帰りますね!
政宗、餞別のお返しに、ケーキ焼いたよ
後で、感想宜しくね!誕生日おめでとう!
じゃ、またね!』

『えっ?もう少しくらい、大丈夫じゃないの?』
と、引き留めてくれる政宗の母に
両手を合わせ、ごめんなさいと
言うと、バタバタと政宗の家を後にした。

居た堪れなかった。
勘違いするな、場違いなのはお前の方だと
言われている気がした。

そして、気づいてしまった。
政宗に抱いている、自分の気持ちの正体に。

(あはは、やっぱり私キモいわー
政宗取られたくないなんて。
政宗の隣は、私の場所だって嫉妬なんかして。
はっー、いつから幼馴染の弟でなくなってた?
気づいてなかった・・・)

自分を嘲笑っているはずなのに
涙が溢れてきた。
/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp