第25章 〜番外編その2〜
政宗には内緒で、政宗の母に連絡をし
誕生日を祝う事にしていた。
政宗が学校に行った後、政宗の家を
材料を持って訪れた愛花。
チャイムを押すと、政宗の母が
出迎えてくれた。
『愛ちゃん!お帰りー』と
嬉しそうに、ぎゅっと抱きしめてくれる
政宗の母。
『元気だった?あれ?なんか、ちょっと
痩せたんじゃない?』
『ご無沙汰してます。全然、痩せてない
ですよー!パティシエって結構、重労働だから
筋肉ついたのかも』と腕を曲げ力こぶを
見せる愛花。
『あー、そうなのかも。さっ、入って入って!』
と、招き入れてくれた。
暫く、お茶をしながら、積もる話に花を
咲かせていたが、政宗が帰ってくる前にと
ケーキ作りに取り掛かった。
愛花のケーキ作りを眺めながら
『はっー、なんかすっかり職人さんの
感じになってきたわねー。プロって感じね。』
『おばさん、褒めても何も出ませんよ』
手を休める事なく、クスッとする愛花。
『あら、残念。でも、嘘じゃないわよ
一生懸命、仕事してるんだって分かるわよ。
そう言えば、職場にカッコいい人は
いる?誰か、歴史っぽい名前の人とか?』
『おばさんの歴女はブレないですねー』
とクスッとしながら、うーんとしながら
思い返したが、カッコいいと思う人は
思い浮かばなかったが、仕事ができて
尊敬する先輩はいた。
『イケメンのカッコいいじゃなくて
仕事ができる!の方でカッコいいって
言う人はいますよ。
片倉さんって方ですけど』
(クールな人で、素っ気ないけど
仕事はほんとできるんだよなぁ)
『片倉って、片倉小十郎?』
『えっ?あー、下のお名前は知らないです』と
テヘッとする愛花だったが
『でも、すっごい仕事できて、有能な方だとは
思います。めっちゃ厳しいですけど
あの人の下で働くのは、勉強になりますね』