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また、恋してくれますか。

第25章 〜番外編その2〜


『うん、骨は異常はないって。でも腫れが
酷いから、暫くは、使っちゃダメって
言われちゃってね。もう、嫌よねー歳かしら?』
と、ため息混じりに呟くと

『それで、こんな状態だから、リクエストには
応えてあげられないのよ、楽しみにして
くれてたのに、本当にごめんね!』

『そんな、そんな。それより、お大事に
して下さいね。桜のケーキは、また機会が
あるときに、ぜひ!』とニッコリと笑って
ガッツポーズをしたが
内心は、残念な気持ちになっていた。

『じゃ、今日はお料理教室はなし
ですよね?』

『あっ、それなんだけど、今日で
一応、最後でしょ?
引越し、明後日だっけ?

政宗が、愛ちゃんの為にケーキ作りたいって
いって、今、焼いてるとこなの。
せっかくだなら、味見してやってくれない?
思春期になって、だいぶ口数は減ったけど
二言目には、愛ちゃん愛ちゃん言ってるから』
と、クスッとすると

『愛ちゃんと、簡単に会えなくなる
からかしら?だいぶ、凹んでて
ここ何日か、機嫌が悪いのよ。
だから、最後に励ましてやって。
あと、仕事に慣れたら顔見にきてやってね』と
玄関から、部屋の方をチラッと見て
政宗に聞かれないようにと
愛花に耳打ちする政宗の母。

『はい。実家に帰った時は必ず』と
愛花もクスッとした後嬉しそうに微笑んだ。

可愛い幼馴染の弟のような存在。
ずっとそう思ってきたが
政宗の母に言われて、これまでのように
当たり前に顔を合わすことがなくなるのだと
改めて身に染みる愛花。

(そっか、簡単には会わなくなるんだな)
両親と離れて暮らすことより、何故か
政宗に会わなくなる方が、寂しいと感じていた。
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