第25章 〜番外編その2〜
『良かったね、政宗。
じゃ、愛ちゃんと結婚してもらえる
ように、いっぱい頑張らないとね!
さっ、チョコ作り再開よー』
『おっー!』とご機嫌になりながら
母の手ほどきを受けて、チョコを刻む
政宗。
やがて、出来上がったチョコを
綺麗にラッピングしたものを
いくつか作り、そのうちの
一つを政宗に
『はい、これは政宗にバレンタインチョコ
だよ。』
『やったー!じゃ、これは俺の作ったやつ。
俺も愛ちゃんにあげる。』
『ありがとう!』政宗のチョコを受け取り
今度はもう一袋を
『おばさん!これおじさんに
渡して下さい!』と政宗の父にもチョコを
くれた。
『あら?いいの?愛ちゃん。
おじさんきっと、大喜びしちゃうわよ!
ありがとう。渡しおくね!』
『えへへ。お願いします』とはにかむ愛花。
作ったチョコを大事そうに抱え
愛花は、家に帰っていた。
その後、政宗がそろそろ寝る時間に
なって、政宗の父が帰ってきた。
『父ちゃん!お帰り!あっちょっと
待ってて!』と愛花から預かった
チョコと自分のチョコを持って
『はい!父ちゃん。愛ちゃんから
もらったチョコ。父ちゃんの分。
これは、俺の分!』
『ただいま、政宗。
ん?愛ちゃんが僕に?
政宗ももらったのか?
あはは、良かったな政宗。
父ちゃんも嬉しいよ。』
『うん、あとな、俺、愛ちゃんと
結婚するんだ、チューもした!
じゃ、俺寝るから。おやすみー!』
興奮気味に、政宗の父に報告すると
自分の部屋にチョコを大事そうに
抱えながら戻っていった。
呆気にとられ、『おやすみ』と
政宗の背中を見送る父だった。