第25章 〜番外編その2〜
愛花が政宗の家に訪ねてきた。
『おばさん、こんちには。
今日も宜しくお願いします。』
と、きちんと挨拶する愛花。
愛花も小学5年生。
政宗の気持ちをよそに
密かに、好きな人がいた。
その子に友チョコと称し
チョコをあげようと思っていたのだ。
どうやって渡そう?
その子にチョコを渡したら喜んで
くれるだろうか?
もし、要らないって言われたら!ガーン!
湯煎の為にチョコを刻みながら
百面相をする愛花。
『愛ちゃん?』
『ん?』政宗の母を見る愛花。
ガーンと言う表情になっていた
自覚は全くなかった。
『あっ、ううん、なんか、一瞬
ガーンって顔したから、悩みごと?』
『あっ、えっ、ううん?大丈夫だよ。』
『ほんとに?』とにっこりする政宗の母。
お見通しされている気がした愛花は
『んー、じゃ、おばさんだけに
教えるね!でも、絶対、内緒ね。』
『うん。分かったわ』
そう言うと、愛花の口元に耳を寄せた。
愛花もヒソヒソと好きな人の
チョコを受け取ってもらえるか
不安な話をしたのだった。
『何ー!俺もー!内緒話聞きたい!!』と
愛花のところにやってきた政宗。
『えー、秘密の話だから、政宗は
教えられないよー』
『なんだよ、愛ちゃんのケチ!』と
プンプンしていたが、ふっと何かを思い
ついた政宗。
『なー、愛ちゃん、俺も愛ちゃんに
内緒話するから耳貸して!』と言うと
『ん?何?』と愛花が政宗に合わせて
屈むと
『あのね、愛ちゃん』とコソッと耳元で
囁くと、いきなり愛花の頬にチュッと
キスをした。
『えっ?』と驚く愛花に
『あっ!間違えた。結婚したら
チューできるんだった。
まっいっか、どうせ結婚するから』と
サラッと言ってのけたのだった。