第25章 〜番外編その2〜
それから、交流を深めていった両家。
出産を終えて、暫くしてから
やっと愛花も赤ちゃんを見に行ける
ことになった。
ーーピンポーンーー
ガチャっとドアが開き
『いらっしゃい、坂本さん、愛花ちゃん
さっ、どうぞお入り下さい』
招かれて家の中に入ると
広々としたリビングダイニングに
通された。
大きな窓の向こうには
日当たりのいい、ウッドデッキのテラスが
広がり、ちょっとしたレストランカフェ
のような雰囲気。
『素敵なお住まいですねー』
うっとりしながら、部屋を見渡す愛花の母。
すると、直射日光を避けるように
ベビーチェアリクライニングに
寝ていた政宗が、『ふぇっ』
と泣きだした。
『あら、もう起きちゃった?
政宗、お客様よ。ご挨拶しよっか』と
政宗を抱っこして、愛花と愛花の母に
ソファーに座るよ促したあと
連れてきた。
『初めまして、伊達政宗です。
愛花お姉ちゃん、宜しくね!』
と、愛花に政宗を近づけた。
ちっちゃくて、おサルさんみたいなのに
鼻が高く、整った顔立ちの赤ちゃんだった。
『うわっー、小さい、可愛い!』
『やっぱり、政宗君、将来は
イケメン間違いなしね!』
『イケメン?』と愛花と首を傾げる愛花に
『すっごく、カッコいい男の子に
なるってことよ』
『ふーん』とは、言ったがカッコいいと
政宗が繋がらない愛花。
愛花には、とにかく小さくて
ふにゃふにゃしていて、可愛いとしか
思えなかった。