第25章 〜番外編その2〜
ケーキを切ると、中は桜色のスポンジと
イチゴがぎっしりとサンドされていた。
甘いチョコと、甘酸っぱいイチゴ
今までに食べたことのないケーキに
愛花はすっかり、ケーキの虜になって
行った。
やがて夏になり、伊達邸が完成すると
伊達夫妻は、また引っ越しの挨拶に
やってきた。
挨拶に訪れた、政宗の母のお腹が
大きいことに気づいた愛花。
『おばちゃん、赤ちゃん生まれるの?』
『そうなの、9月に生まれる予定だよ。
赤ちゃん生まれたら、愛花ちゃんも
みに来てね!』にっこりする政宗の母に
『うん!行くー』と元気に返事をかえしたが
母に促され、あっそうだったと
ケーキの感想を報告した。
『おばちゃん、あのね、おばちゃんのくれた
ケーキ、すーーーっごいきれいで
すーーーっごく美味しかった!!』
小さな身体を屈めて、溜めを作り
凄さを表現する愛花が可愛くて仕方ない
政宗の母。
『ほんと?気に入ってくれてうれしいな!
じゃ、今日はこれから、お隣さんで
仲良くして欲しいしから、お近づきに
はい、これどうぞ』
『えっ、そんなお気遣いなく。』と焦る
愛花の母をよそに
『ありがとう!おばちゃん、これなあに?』
と、あっさり受け取る愛花。
『あっ、こら、もう、ほんと
すみますせん』と恐縮する愛花の母に
『いえ、いえ、お気になさらないで下さい。
ほんの、お近づきの印ですので』と政宗の父
に続き
『愛花ちゃん、このお菓子はね
マカロンって言うの。何味が1番美味しかったか
また教えてくれる?』