第24章 〜番外編その1 〜
サザッー、サザッー
ザワ・・・ ザワ・・・喧騒に包まれる中
『あー、懐かしい。あれから10年も
経ったなんて信じられないわー』
パラソルの下で休憩している詩織と桜奈。
『ほんとだよ、まさか、しぃちゃんに
先越されるとは、思わなかったよ。』
『テヘヘ、まぁね!でも、たった1年じゃん。
桜奈の花嫁姿も感動したよー
ましてや、親友が義妹になるなんて
なんてラッキーなのかしら!』
『それは私も一緒よ!しぃちゃんが義姉なんて
心強いわよー、先輩ママとしても
大いに頼りにしてますよー』
『あはは、まぁね。』
それから、桜奈のお腹を撫でると
『みんな、楽しみ待ってるからねー!
でも、ゆっくりでいいからね!』と
声をかけると、わかった!と返事を
するように、ポンっとお腹を蹴った。
『あっ、お腹蹴ったよ!返事してくれたわ
賢い子ねー!詩織お姉さんが
いい男になるように、可愛がってあげるからねー
ヒャッヒャッヒャ』
『しぃちゃん、怖いよ・・・目が笑ってない』
『だってー、見てよあれ!』
と、指差した方向には、信長と家康が
娘と姪にデレて楽しそうにしている姿
があった。
凛桜(りお)と優月(ゆづ)に男連中
メロメロじゃない。家でもさ、先生を
取り合いよー。だから、せめて甥っ子に
詩織お姉さんって呼ばせて、私も
メロメロになりたいのー!』
『はぁ、まだ2歳にもなってない娘に
焼きもちやくなんて、困ったおばちゃんだねー』
とお腹に話かけると、間髪入れずに
『お・ね・え・さ・ん!』と
訂正をもとめた。
『はいはい、お姉さんね!』
と呆れる桜奈。