第4章 〜初恋〜
『しぃちゃん、もし、もしもだよ
偶然、ばったり、その人に会えたら
しぃちゃんは、どうしたい?』と
真剣に聞く桜奈。
『えーっ、どうだろう?どうしたい?
・・・・いやっ、待って、私どうしたいんだ?』
と、驚愕する表情で両手で頭を、抱える詩織。
『ぜっんぜん、そこまで考えてなかった。
いやだ、まるっきり昨日の桜奈じゃんね。
ただ、会いたかっただけなんだ私・・・
間近で、会ってみたかっただけ?
あー、もはや化石の恋心だから
会えるなんて可能性がないからこそ
一目会いたい止まりの欲で終わってた。
会ってみないと、どうしたいかすら
分かんないっぽいわ、ははは、おもしろー
人の気持ちって、自分でも分かってない
気持ちがいっぱいだわー』と
新しい自分の一面に気づいたかのように
詩織は、不思議な顔をした。
『あっ、その気持ちなら、私にも分かる』