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また、恋してくれますか。

第24章 〜番外編その1 〜


8月の最後の土曜日。
何回か、連絡を取り合い
今日、信長にジャケットを返す
約束になっていた。

朝から、クローゼットの洋服を
何枚も引っ張りだし
これじゃない、あれじゃないと
一人ファッションショーを
繰り広げていた詩織。

信長の横に並んでも、子供っぽく
見えないように、ただそれだけを
思って、洋服を選び、軽くメイクする。

元々、整った顔立ちで
可愛いと言うより、キレイと言われる
美人の詩織。

落ち着いた色のノースリーブのワンピース
とメイクでとても、高2には見えなかった。

(よし!少しは大人っぽく見えるかな?)

鏡の前で、身を捩り背中の方まで
念入りにチェックし、鏡の中の自分に
ニコッと微笑むと、信長のジャケットと
お礼の金平糖の入った紙袋を手にし
玄関に向かった。

『あら、詩織、出かけるの?』と詩織の
祖母。

『うん、ちょっとね。借りてたものを返しに
行ってくる』

『そう、気をつけて行ってらっしゃい。
遅くなるようなら、連絡いれてね。
今日の詩織は、とってもキレイよ。
なんだか、大人っぽくてお姉さんな感じね。
素敵よ。』ニコニコしながら、褒めてくれる
祖母に

『うん、ありがとう。おばあちゃん!
今日はね、おばあちゃんが前に言ってたみたいに
後悔するかも知れないけど、後悔しない為に
ご縁のあった人から、ちゃんとプレゼント
もらってくるね!』

『そう、成長の為のプレゼントも
受け取りにいくの?
じゃ、今日を思いっきり
楽しんでらっしゃい!』と優しく微笑んだ。

『うん!じゃ行ってくる!』
と、足取りも軽やかに待ち合わせ場所へと
向かった。
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