第24章 〜番外編その1 〜
信長の声に、ビクッ!とし
驚き振り返る詩織。
信長は、獲物でも見つけたように
ニヤリとした。
『あわわ、な、なんで、こ、こ、ここに!』
びっくりし過ぎて、言葉が上手く出て
こない詩織に対し
『先生、こんにちは。昨日は
御馳走様でした。しぃちゃんには
伝言して、メモ渡しておきました』と
にっこりしながら余裕をみせる桜奈は
詩織をチラッとみて、何かを企むように
『でも、しぃちゃん、ジャケット
家康さんに頼んでって言うんですよぉ〜』
と、言いながら残念と言わんばかりの
表情をした。
『ふーん、俺に会うのが、そんなに
嫌だったわけか・・・それは、済まなかったな』
そう言うと、当然のように詩織の隣に
座る信長。
『あっ?えっ?』
かつて、桜奈が体験した
100m全力疾走レベルで
バクバクと心臓が鳴り出し
耳まで、真っ赤にしながら
俯く詩織。
『いらっしゃいませ、信長さん』と
政宗が水とおしぼりを持ってきた。
『政宗、また昨日のパンケーキ頼む
なかなか、上手くてまた食いにきた
あと、ホットコーヒーで』
『かしこまりました。
おっ、桜奈今日は食欲戻った
みたいだな』
『えへへ、お陰様で。
やっぱり、美味しいですよね!』
と、満面の笑みの桜奈。
『あれ?詩織は、どうした、顔赤くない?
熱か?』と恥ずかしがる詩織に気づき
指摘する政宗に
『ち、違います』と顔を隠すように
更に俯く詩織。
『まっ、具合悪いんじゃなきゃいいよ。
じゃ、信長さんすぐに持ってきますね。』
『ああ、頼む。』