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また、恋してくれますか。

第4章 〜初恋〜


『そっか、あの時のお兄さんが
しぃちゃんの初恋の相手だったんだ。
あれから、ずっと想い続けてたんだ。
全然、気づかなかったなー』

『まぁね、心の奥底で埃を被ってるような
恋心だし、桜奈に恋しなきゃって
散々言ってるのに、お前は、どうなんだって
話なわけよ。
だから、今更、改まって話すのもねー
どうなのって話で。

だから、早く誰かいい人みつけて
さっさと気持ちの上書きして

綺麗さっぱり忘れてしまわなきゃって
思うんだけど、いざとなると、なかなか
捨てられなくてさ』
とため息混じりの詩織。

『しぃちゃんが、そんなに長い片思い
してただなんて、全然気づかなかったな・・
まぁ、元々、恋の話に鈍感だしね私。

ん?でも、待って?さっき2回会ったって
言ったよね?』と桜奈。

『うん、たぶんその人だよ。春前にインフルで
病院行った時、遠目ですれ違った。

一瞬だったし、熱もあってボーっとはしてたけど
絶対あの人だと思った。でも、ただそれだけ。

どう考えたって、発展も広がりもしない
桜奈が言うところの不毛な恋なんだよ。

そんな不毛の恋してたら、貴重な青春が
終わっちゃうじゃない!!

だから、早くけりつけて、前に進みたいと
思ってたのにさ、桜奈の方が急展開
だもの、片思いの長さなら、私が長いのに

何、この、行列に横入りされた気分は!?』と
納得いかない表情の詩織。
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