第24章 〜番外編その1 〜
『そ、そうだよ。
私みたいな、高校生のガキんちょなんて
相手にされる訳ないよ・・・』
つい、ポロっと漏れ出た本音。
『しぃちゃん?やっぱり先生のこと
好きなんだ・・・』
『そ、そんな訳ないよ。再会は最悪だったし
現実が理想に敵うわけない、理想を
押しつけてただけだって、前に言ったじゃん。
ナイナイ、あるわけないよ、有り得ないから』
ムキになって、否定すればするほど
詩織の心の中で、信長の占拠率は
どんどん上がっていく・・・
((恋)落ちたのはわかってんの。
でも望みのない片想いは
もう沢山なの・・・冷静になれ!私!)
いつもクールでサバサバしている詩織にしては
珍しく動揺し、ムキになっているように
感じた桜奈。
『あのね、しぃちゃん。昨日のことは
話したけど、政宗さんちで焼肉した
次の日、私ね、家康さんに告白されたの。
それで、私も思わず自分の気持を
伝えちゃったんだ・・・
振られるの分かってるのに
半ば、その場に流されてしまって
思わず告白した感じ。
言うつもりなんてなかったんだけどねー。
しぃちゃんが前に言ってくれたみたいに
区切りをつけたい気持ちもあったんだと
思う。』
『えっ?』と知らなかったと言う表情の
詩織に桜奈は続けた。
『結論としては、想いを伝えても
伝えてなくても、好きな人に想いが
届かないのは、辛いってだけだったよ』と
クスっとする桜奈。
『だけど、後悔はしてないよ。
想いが届く、届かないは別にして
知っといてもらって良かったって
思った。告白できて、気持ちを
伝えられて、どっかで嬉しかった
不思議だよねー、振られるのわかってんのに。
しぃちゃんは?再会も最悪で
相手にもされそうにない先生への
片想いの区切りはすっかりついたの?
ジャケット返して、はい終わり!で
後悔しない?』