第23章 〜鴛鴦の契り〜
『ただいまー!』と家に入ると
栞がすっ飛んできて
『桜奈!どうなった。家康君とは
どうなったの?』と、目を輝かせニヤニヤ
しながら尋ねてきた。
『///お付き合いすることになったよ・・・///』
『ほんとに・・・わっー!やったー!
良かったねー』と桜奈に飛びついた。
『・・・うん///』
抱きしめながら桜奈の背中を
バシバシと叩くと
『ほんとに良かった、良かったねー
ほんとに・・・ほん・と・・・に』と
言ったあと、声を詰まらせる栞。
(良かったねー、家康。また桜奈さんと
一緒にいられるよ、帰ったらこの奇跡を
報告してあげるからね・・・)
涙は、自然に流れてきた。
『お姉ちゃん・・・?』
『あー、ごめん。自分のことみたいに
嬉しくて、涙出ちゃった。』と
桜奈から離れ、涙を拭いながら
クスッする栞。
『お帰りー、上手く行ったみたいね?』と
千里も出迎えた。
『うん。あれ?パパは?』
クスッとしながら
『栞の喜び方で、察知したみたいで
しょぼんとしちゃったわ。娘は誰にも
取られたくないのよ、お父さんって人種は。』
と、揶揄うように話す千里。
『そっか・・・』
『何?なんか浮かない顔ね。
初恋が実ったのに・・・』
『///なんで、知ってんの?///』
『やーねー、この子は。何年、貴方の
お母さんをしてると思ってるのよ!
家康君が、うちにきた日から
丸わかりよ』と、クスッとする千里。
『そっか、バレバレだったか・・
なんか、信じられくて。
夢なんじゃないかな。明日になったら
ほんとは、何も変わってなくて
消えてしまいそうで・・・』と
浮かない顔をする桜奈。