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また、恋してくれますか。

第23章 〜鴛鴦の契り〜


『全く、ひと騒がせな奴らだ。
こいつは、こいつで、お世話になった
挨拶で伺ったはずの上杉家で
突然、桜奈さんとの
お付き合いを許して欲しいとか言い出すし』
と家康をみて呆れ顔をする信長。

『いや、そ、それは。勢い余って・・
嬉しくて、つい・・』と、語尾が弱々しくなる
家康。

『えっ?そうだったんですか?』と
驚く桜奈。

『そうだ。聞けば、君にお付き合いの了承も
得てないのに、そんなこと言ってると知って
ますます呆れたよ。だが、上杉夫妻も
栞さんも、君の気持ち次第だって言って
くれてね。君がそうしたいなら
反対する理由はないって。

それで、強引で申し訳なかったが
食事に誘わせてもらったんだよ。
気持ちの確認ができたみたいで安心した。
こんな弟だが、これから宜しく頼むよ』と
頭を下げる信長。

そんな兄をこの人には敵わないと
言う表情で照れくさそうに見つめる家康。

『いえ、こちらこそ宜しくお願い
します』と慌てて頭を下げる桜奈。

こうして、家康も桜奈も両家の
親族公認でお付き合いが始まることになった。

食事会が終わり、家まで送って貰った桜奈。

『今日は、本当にありがとうございました。
ご馳走様でした』と、車を降りて挨拶すると
信長が、一枚のメモを桜奈に渡し

『これを親友の子に、渡してもらえるかな?
成り行きで、僕のジャケットを貸した
ままになっててね。返してもらいたいんだが
連絡先も知らないし、病院に届けてもらうのも
悪いから、僕が受け取りに行くから
連絡くれるように伝えてもらえる?』

メモには、信長の連絡先が書かれてあった。

『分かりました。しぃちゃんには
必ず渡して、伝言を伝えます』

『宜しくな、じゃまた』

『桜奈、後でまた連絡入れる』

『はい。待ってます。気をつけて
帰って下さい。ありがとうございました。』

信長の車は走り去り
こうして、桜奈の怒涛の1日が終わった。
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