第23章 〜鴛鴦の契り〜
レストランへと戻ってきた家康と桜奈。
仲良く手を繋いで入ってきた。
目的の座席を見つけ、お待たせと言うように
手を挙げる家康の視線の先には
先生と見知らぬ男性。
そして、(あの人は!)小夏の姿を見つけ
ビクッとし、顔を強張らせる桜奈。
(本当に、大丈夫なのかな。
はっ!手なんて繋いでる場合じゃ)
家康に大丈夫とは言われたが
罪悪感が湧き起こる。
繋いでいた手をパッと離し
足が止まった桜奈。
気持ちを汲み取った家康は
桜奈の耳元で
『大丈夫。ほら見て。小夏の隣にいる人が
小夏の最愛の人だよ。幸せそうだろ?』
そう言われて、手を振る小夏を見ると
光秀と目を合わせ、嬉しいそうにしていた。
桜奈の目にも、光秀が小夏にとって
特別な相手なのだと直感できた。
『な、大丈夫だよ?行こう!』
そう言ってまた手を繋ぎ直し
信長達が待つテーブルへと向かった。
テーブルに到着すると
小夏が小さく手を振り
『初めまして、貴方が桜奈ちゃん?』
と小夏に尋ねられた。
『はい。初めまして。上杉桜奈です』
と挨拶すると
『初めまして、徳川小夏です。
で、こちらは、私の元々の婚約者の
明知光秀さんです。宜しくね』
と、にっこりする小夏。
『明知です。宜しく』と涼やかに
微笑み光秀。
『こ、こちらこそ、宜しくお願いします』
と、ペコっと頭を下げる桜奈。
『はい、はい、座って座って。
今日は、好きな物頼んでね!』