第23章 〜鴛鴦の契り〜
『なかなかの美人さんだねー。
ああ、一緒にお茶しかったなー
彼女が運んでくれた、パンケーキも
美味しいそうだし、さっそく頂こうかな。』
『信兄は、相変わらずの甘党だな。
まぁ、なんだ、ほらとにかく、目があった女の人
手当たり次第に声かけんのやめなよ。
それでなくても、目立つんだから』
(黙ってたって、女がよってくんのに・・・
めんどくさいって思わないのが、凄いわ・・)
『ええ?僕はいつだって女性の味方だからね。
幸みたいに、威嚇してばっかりじゃ
モテないし、つまんないしねぇ。
おっ!美味いね、これ。
でもさ、さっきの彼女、失恋でもしたのかな。
辛そうで、可愛そうだったなぁ・・・
もっと慰めてあげたかったのに残念・・』
冗談とも本気ともつかない信玄の言葉に
胸がざわざわする幸紫。
(失恋?・・あいつ、好きなやついたのか?)
一瞬、表情が変わる幸紫をチラッと見て
『へぇー、幸もそんな顔するんだ・・・』
(もしかして、お気に入りの子だったから
慌てて、邪魔しにしたのかな?)
と、ふっと笑う信玄に
『はっ?どんな顔だよ。まぁいいや。
で、こっちにはいつまでいんの?』
『あー、明日、ここの社長さんと
商談があって来たんだ。
ここの系列のレストランで
うちのワイン使いたいんだって。
今日は、仕事はないから夕飯でも
一緒に食べに行く?』
『分かった、じゃバイト終わったら連絡
するわ。もちろん、信兄が、苦学生に
ご馳走してくれるんだろ?楽しみにしとくわ』
と、にっと笑うと幸紫は仕事に戻った。