第23章 〜鴛鴦の契り〜
席まで案内した幸紫は
折り目正しく軽く、一礼すると
『こちらにどうぞ』と
席を指し
信玄も『ありがとう』と言って
座った・・・だけの行為に
周りの女性客からは
『はぁ〜』と甘いため息がもれた。
イケメンが二人そろうだけで周りに
キラキラした特別空間ができ
そこだけ、スポットライトでも
当たっているんじゃないかと
思うくらい、明るくみえた愛花。
『うっわー、イケメンのやりとりの
破壊力は半端ないのねー、眼福だわ』
感心しながら、桜奈にパンケーキを
運びにいった。
『お待たせー』と入ってきた愛花。
パンケーキを見て、ぱぁっと言う表情と
共に、目をキラッキラさせる姿は
相変わらずで
『うーん、こっちはブレない
鉄板な反応だわねー』とニッコリした。
『店長!ありがとうございます!
でも、鉄板ってなんの話ですか?』
キョトンとする桜奈に
『気にしない、気にしない。
桜奈ちゃんには、パンケーキの
作りがいがあるなーって話よ。
さっ、冷めないうちに食べて、食べて。』
『ありがとうございます。
遠慮なく頂きます』
手を合わせて、頂きますと言うと
一口、口に入れ、これまた鉄板の反応を
する桜奈。
『あー、美味しい!幸せー』
『良かった!ゆっくり食べてね。
じゃ、時間までしっかり休んでね』
そう言って、愛花は部屋を出ていった。