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また、恋してくれますか。

第23章 〜鴛鴦の契り〜


ケーキを買い帰宅すると

『ただいまー!』と元気よく
家の中へと入っていく桜奈。

『お帰りなさい』『お帰りー』と
千里と栞が出迎えた。

『ただいま。』

『お土産買ってきたよー!
ケーキだよ!あとでみんなで食べよう!
私、着替えてくるね!』

ケーキを千里に預け、手を洗って自室へと
忙しなく戻る桜奈。

『鷹介さん、お疲れ様。引越しは無事
終わった?』

『うん、終わったよ。』

『桜奈は大丈夫だった?』と
尋ねる千里に
残念そうに無言で首を横に振る鷹介。

『そう・・・でも、仕方ないものね。
暫くは、そっとしておくしかないわね』

両親の会話を黙って聞いていた栞だったが
戦国時代の家康と桜奈の生まれ変わり
だと信じて疑わなくなっていた栞は
残念でならなかった。

(今度こそ、長く長く一緒にいたくて
生まれ変わってきたんじゃなかったの?
家康・・)

どう見ても、今も両想いで、かつては
あんなに固く固く結ばれていた二人だった
はずなのに・・そう思うと、やりきれないと
しかいいようがない思いだけが
栞の心の中に充満していった。

部屋に戻った桜奈は
パタンとドアを閉めると、ドアに寄りかかり
『ふぅ〜』と大きく息を吐いた。

明るく振る舞ってみたが、気を抜くと
すぐに家康を思い出し、涙目になってくる。

(大丈夫!落ち込んでるって思われたら
みんなに心配かけちゃう。
大丈夫。大丈夫。)

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