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また、恋してくれますか。

第22章 〜ただ一人の人〜


そのまま進むと、中庭を臨める
応接室の襖が開かれていて

上杉家一同が
楽しげに歓談していた。

『秀吉君、待ってたわ。家康君も座って座って』
と千里に促された。

『こんにちは。ご無沙汰してます。』
上杉家の祖父母と鷹介の弟夫婦に挨拶した後
『久しぶりだな、謙心、佐輔』と声をかけた。

『ご無沙汰してます』と一礼する佐輔とは
『久しぶり』と無愛想に
返事をする謙心。

両親に諫められるが、どこ吹く風の
謙心の態度に

『お前も、相変わらずだなぁ』と笑う秀吉。

続いて『初めまして、徳永です。』と
家康が挨拶すると、鷹介が
『この子が、家康君。父さんも母さんも
覚えてる?大学時代にうちに遊びに来た
徳永の息子さんだよ。今、うちに下宿して
もらってんだよ。』

ピクッと反応してし
『伯父さんのうちで下宿してるんですか?』と
謙心が反応した。

『そうだよ。謙心お兄ちゃん。
私の家庭教師もしてもらってるの。』
と、桜奈が嬉しそうに補足すると

『一つ屋根の下で、家庭教師?
膝を突き合わせて勉強を教えてるって
ことか?』
ゴゴゴッッと、凄まじい負のオーラが
見えてきそうなほど、殺気だってくる謙心。

『兄さん、落ち着いて。下宿なんだから
一つ屋根の下に住むのは、当たり前だから?』
と、佐輔が宥めるが家康を敵意に満ちた目で
ジロッと睨んだ。

(あー、やっぱり、かなり面倒臭い人かも)
直感が当たったと思う家康に

『まぁ、貴方が徳永君の息子さんなの?
確かに、徳永君の面影があるわ
ねぇ、お父さん。』

『そうだな。確かに面影があるね。
お父様はお元気してますかな?』と
上杉の祖父が尋ねてきた。
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