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また、恋してくれますか。

第22章 〜ただ一人の人〜


『あ、ありがとうございます。』
ペコッと頭を下げる桜奈。

『明日、巫女さんの衣装きて
本番でしょ?』

『はい。頭飾りもつけるので
思ったより動き辛くなるんですけどね。
お化粧もしますから、もはや誰?って
感じかもですよ?

もはや誰?ついでに言っちゃうと
本番中は、私が踊ってるんですけど
私じゃないみたいな感覚になったりして
不思議なんです。
祈願奉納ですから、みんなの祈りが
別の形でパワーになって自分に入って
来るって言うか、なんて言うか・・・』

『祈願奉納か・・・じゃ、俺も
祈り込めて舞をみてれば、桜奈が天に
届けてくれるイメージかな?
願い叶いそうじゃん。凄いね、それ!』
ふっと微笑み、また夜空を見上げる家康。
(俺の願いは、一つだけだ・・)

家康の横顔を、眺め家康の願いは
きっと小夏の幸せなのだろう
と思う桜奈も、家康と同じように
空を見上げた。

キラキラ瞬く星に願いを込める
(どうか、家康さんが幸せでありますように)

小夏の幸せが最優先な家康にとって
自分の幸せをどうでもいいと思っていることは
家康の話からよく分かった。

だったら、自分だけは家康の幸せを
最優先で願いたい。
家康が小夏の幸せを願うように
自分が家康を幸せを願いたい。

自分が家康にしてあげられるのは
それくらいしかないから・・・
そんな気持ちで
家康の幸せをそっと祈る桜奈。
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