• テキストサイズ

また、恋してくれますか。

第22章 〜ただ一人の人〜


(ヤバイ、目がマジだ!)
ジリジリと迫ってくるが、家康としては
やはり気恥ずかしく照れてしまう。

でも、桜奈のマジ顔をみれば
早くこの場を治めた方がいいとも思い

本当に欲しかったわけではなかったが
致し方なく、パクッと食べた。

『美味しいですか?』ニコニコと聞いてくる
桜奈に
『///うん、甘いね///』と手の甲を口に当て
伏せ目がちに呟く家康。

義理は果たしたとばかりに、スッキリした顔で
アイスを頬張り『あー、やっぱり美味しい!』と
縁側に放り出した足をパタパタする桜奈。

夏の夜空を仰ぐように、『んっーーーん』と
美味しさを噛みしめる横顔を眺め

(そうそう、その顔が見たかっただけなのに)

そう思い桜奈を見つめる家康の瞳には
愛おしいものを包み込むように
どこまでも、優しさが溢れていた。

口の中に残る甘さのように
甘い空気は、夜風に溶けて二人を
サッーと撫でていく。

後ろに梳かれるように
流れていく桜奈の長い髪
あらわになる首筋は、甘く冷たい
アイスを飲み込む度に微かに動く。

上質の絵画でも眺めるように
頬杖をつき桜奈を熱い視線で
見つめる家康。

だが、家康のその視線は
桜奈には、アイスを狙う
ハンターの熱い視線に感じられる。

(やっぱり、一口じゃたりなかった?
もっと、食べたかったのかな?
そうだよね、こんな美味しいもんね。
このアイス。
半分あげた方がいい?どうしよう・・・)

アイスの残量を確認しながら
尚も続く熱い視線が、やっぱりアイス美味い!と
言っているようにしか思えなくなり
たじたじになっていく桜奈。

チラッと家康を見ると、家康と目があった。
/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp