第22章 〜ただ一人の人〜
家康の読みは当たっていた。
秀吉が『そういえば、栞姉ちゃんに会いに
伯父さんとこの家族もくるんだって?
謙心とか、佐輔も来るのかな?
だいぶ前に会ったきりだけど
桜奈は、ちょくちょく会ってるんだろ?
今だに、桜奈への過保護っぷりは
健在か?』
『謙心お兄ちゃんね・・
うん、相変わらず優しいよ。
過保護だし、今だに甘やかそうとするし。
ちょっと困る時もあるけどね・・・。
秀吉お兄ちゃんも私には、過保護な方だけど
謙心お兄ちゃんは、過保護のレベルが
違うからね』
と、困った顔で笑う桜奈。
『えーっ、あんなクールな謙心君が?
想像つかない。』と驚く栞。
『過保護なんてもんじゃないよなー、桜奈。
桜奈の事は、俺が面倒みるって
縁日回っても、手を握って離さないし
少しでも疲れたとか、桜奈が言うと
おんぶして出店を回って、欲しいって
言ったら何でも買ってやって
桜奈には、そんなだもん。
ほんと、桜奈に対する溺愛っぷりが
半端なくて、ドン引きするよ?』
『えー、全然、そんなイメージない。
まだ、小学生だったけどクールで大人びてる
なって印象しかないな私。』と栞も驚いていた。
『あれ?栞姉ちゃんは、佐輔には会った
ことあるんだっけ?』
『たぶん、生まれたばっかりの頃に
一度会ったきりかな。』
『そっか、じゃ会ったらまた
びっくりするな。
謙心はまぁ、桜奈以外には
相変わらずクールだから
あんまり変わってないけど』
『そうなんだ、ママは来るって言ってたから
会うの楽しみだわ。』