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また、恋してくれますか。

第22章 〜ただ一人の人〜


『そうだよな、栞姉ちゃんに会うの
十数年ぶりだったもんな?
一昨日、会った時は驚いたよ。』

『私も秀吉君みて、驚いたよー。
最後に会ったのが小学生の時だもん。
はじめは、誰かわかんなかったよ。』

『えっそうだったの?だって、会ってすぐに
秀吉さん!!とかいって、めっちゃびっくり
してたじゃん。俺だってすぐ分かったから
じゃないの?』

『そ、そうだった!そうだった。
いや、だって、ほら。
こんなに逞しくなってるなんて
思わなかったから驚いたのよね!ハハハ・・・』
(秀吉さんに、そっくりだなんて
言えないしー!!)

『まぁ、最後に会ったのだいぶ前で
当時の俺は、すげぇチビだったし。
確かに、変わったと思うかもな。』

『で、でしょー、ほんとびっくりよ
(違う意味で!!)』
顔を引き吊らせながら苦笑いして
必死に誤魔化そうとしている栞。
家康には、それが分かった。

(栞さんの、あの感じだと秀吉さんは
豊臣秀吉にそっくりってことか・・・?
羽柴って言ってたけど、豊臣秀吉に
なる前の名前だもんな。

すげぇな、嘘みたいな話だけど
栞さんの話は、本当だろうし、おじさんの
研究ももちろんだし・・・ってことは
他にも戦国武将の生まれ変わりみたいな
人いるのか?)

自分も戦国武将の生まれ変わりの
当事者であることを忘れ
まるで、有名人に会ったような気分で
栞達のやりとりを聞いていた家康。

前世の記憶などあるわけでも
思い出せるわけでもないのに

一緒に過ごす時の『感覚』だけは
思い出すことは叶わない前世の記憶に
反応しているような気分になる。

そうでなければ、小さな頃に
たった一度だけ会ったかも知れない
兄の後輩だと言う秀吉に
これほどの親近感と懐かしさを
感じる説明がつかないと家康は思っていた。
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