• テキストサイズ

また、恋してくれますか。

第22章 〜ただ一人の人〜


『栞姉ちゃん、大丈夫か?』
人混みをかき分けながら栞に近づき
そう声をかけてきたのは

千里の妹の子供の羽柴秀吉。

『あっ、秀吉お兄ちゃん!久しぶり!』
ぱぁっと明るい顔になる桜奈。

『よう!桜奈。久しぶり。
元気だったか?』と、慣れ慣れしく
桜奈の頭をわしゃわしゃと撫でる秀吉に
イラッとする家康。

鋭い視線に気付いた秀吉は
家康と目が合った。

『どうも、君がもしかして信長先輩の弟?』と
尋ねてきたのだ。

『えっ?』と驚く家康。

『あー、俺、信長先輩の高校の時の後輩の
羽柴秀吉。桜奈の従兄弟だよ
宜しくな!てか、久しぶりって言う方が
あってるか?』そう声をかけてきた。

『兄貴の?・・・いや、初めましてだと
思うんですけど・・徳永です。』と
挨拶したが、秀吉が言ったように
どこかで会ったことがある気がした。

『たぶん、前に信長先輩のとこに
遊びに行った時、会ったことあるよ。
まだ、こんな小さい時。』と
手で自分の腰あたりの空を撫でた。

『えっ、秀吉お兄ちゃん、家康さんに
会ったことあるんだ!って言うか
前に言ってた高校の先輩って
小田先生だったの!?武将の名前の
先輩がいるって!』

『うん、そうそう。俺の憧れの先輩な!
カッコ良かったなー、今でもカッコいいけどな』

『今でも、交流あるの?』

『あるある。信長先輩と光秀先輩とは
たまーに、飲みに行ったりするよ。
あっ、光秀先輩は今、留学してるから
最近は、会えてないけどな』とにっこりする
秀吉の笑顔に

小学生の時に、遊んでもらった微かな
記憶が蘇ってきた家康は

『あっー』と声がでた。
/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp