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また、恋してくれますか。

第22章 〜ただ一人の人〜


桜奈の肩に頭を乗せたまま
ほっと幸せに浸る家康は
拘り続けていたものと一緒に
全身の力が抜けていく。

『家康さん・・・?』

脱力したまま『ん?』と答える家康。

『あ、あのですね・・・』
(ドキドキし過ぎて心臓がギュッてなってる
って、言えない・・・)

『なに?』

体勢を変えることのないまま
桜奈がどぎまぎし、鼓動が早くなって
いることに気づいた家康。
悪戯心に火がつき始めた。

『えっと、こ、この体勢が・・・』
(心臓がぁー)

『この体勢が・・・?』
そう言うと、今度はスッと手を伸ばし
桜奈をそっと抱きしめた。

(な、なんで?背中に手を回すの?)
あわあわし始め、軽くパニックになる桜奈。

『あ、あの、ち、ち、近い・・・です。』

『近いと嫌?』と、揶揄いの名のもとに
自分の衝動を満たしていく家康。

『い、いやとかの問題じゃなく・・』
もはや、いっぱいいっぱいで
頭がぐるぐるする桜奈に

追い討ちをかけるように
更にぎゅーっと抱きしめ、耳もとで

『桜奈は、俺のこと嫌い?
俺は、桜奈が好き』

と囁いたところで、桜奈の
ドキドキは限界に達し

顔はもちろん、耳まで真っ赤にしながら

プシューと空気が抜けるように
ふにゃふにゃと脱力する桜奈。

そんな桜奈を感じ、小刻みに肩を揺らし
クククっと笑い始める家康。

(///あーっ、ほんと可愛いな。
これ以上、揶揄うと俺の方がやばい///)

笑っていることに気づいた桜奈は
(も、もしかして、わざと!?)
家康が揶揄っているのだと、やっと気づいた。
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