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また、恋してくれますか。

第22章 〜ただ一人の人〜


『うん。知ってるよ。
パンケーキ屋で鉢合わせした時に見かけたし。』
(あの時は、桜奈があいつに告白されて
たな・・小夏は前から桜奈を
知ってる風だったけど)

『そうですか・・私が顔に出てたんですかね』
(はっー、きっとバレバレな顔してたんだ私。)

表情コントロール皆無の自分に
ずーんと落ち込む桜奈。

『ああ、違うよ。俺の態度でそう思ったみたい。
あの人、鋭いから。俺もすぐに見透かされる
兄貴と同じ部類の人で、時々、本当に
めんどくさい』
(あと、光秀さんもね。ハッー)

誰を思い出しているのか、分からないが
どちらにしても家康が、うんざりする体験を
かなり味わってきたのだけは、言葉の端から
滲み出ていた。

『それに小夏は、俺を好きなわけじゃ
ないし、俺のことを見透かした上で
浮気だとか冗談言って、揶揄ってる
だけ・・・気にしなくていいよ。

小夏には、好きな人がいるんだよ。
あの日は、その人と小夏の婚約のお祝い
して、帰るところだったんだ・・。
怪我さえしてなければ、今頃、その人と
幸せな家庭を築いてたはずだったんだ・・・
俺のせいで、ダメにしてしまったけど。』

以前、打ち明けられた時ほどの悲壮感は
漂いはしなかった。しかし、途中から
家康が何を言っているか
分からなくなる桜奈。

大切な人と小夏さんが別れた話は
婚約者がいると打ち明けられた時
聞いた気がした。
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