第21章 また、恋してくれますか。
また、食器棚に視線を向け手を動かす家康は
『あの日、桜奈と初めて出会った日
俺は、運命を感じてた。俺には事情があったし
あった瞬間に一目惚れしたなんて
その時は、気づかないふりをしてた。』
『えっ?』驚いた表情で固まる桜奈。
(家康さん、何言ってるの?
一目惚れって誰に・・・?
まさか!私に?えっ?えっ?)
だんだんと、意味を理解するにつれ
動揺し出す桜奈。
『うん、俺、初めて出会ったあの日
桜奈に一目惚れしたんだ。
でも、小夏と婚約してたし、この気持ちは
何かの間違いだって気付かないふりして
自分に嘘をつくしかなかったんだ。
だけど、あの時、無意識に本心を
口走ってしまった。
運命の出会いなら良かったのにって・・・
この出会いが運命であって欲しいって
俺の願望がそう言わせたんだと思う。』
それから、桜奈を見つめると
『俺は、初めて出会ったあの日から
あの瞬間からずっと桜奈のことが
好きだった・・今も。たぶんこの先もずっと。』
青天の霹靂とは、こう時に使う言葉なの
かも知れないというほど驚きの表情になる桜奈
両手で口を覆い、目を見開き
突然の告白に驚いていた。
しかし、すぐに涙を堪えるように
眉をひそめたが、涙はポロポロと
零れ出た。
(家康さんが・・私を・・好・き・・・?)