第21章 また、恋してくれますか。
『べ、別に用事は、用事だし。
あー、なんだっていいだろ!』
『あっ、そ。』とニヤニヤしたまま
家康をまだみる小夏。
(あー、いつもの小夏に戻ったけど
こう言うところ、ほんとめんどくさい!!)
と思いながら、ため息をつく家康だった。
それから、小夏と二人で昼食をとり
家康は、桜奈のバイト終わりに
合わせ帰ろうとしていた。
『じゃ、お昼ご馳走様でした。
光秀さんとのこと、ちゃんと報告してよ。
あんなメールくれるくらいだし、別れた
つもりだったのは、小夏だけかもよ。』
と、優しく笑う家康に
『あーぁ、なんか腹立つわ!
大人な顔しちゃって!この!』と
家康のふわふわの猫っ毛を
わしゃわしゃと撫でた。
『ヤメロって!』と少し屈み込み
腕をあげ防御する家康。
『あはは、やっぱり可愛いわ。
ありがとうね、家康。
家康も自分の大事だって思うもの
逃したらダメだよ。好きなんでしょ?
桜奈ちゃんのこと。』
『俺は、小夏の保険だって言ったろ?
保険が必要なくなって、初めて俺の役目は
終わる。だから俺の幸せも小夏にかかってる』
と言ってクスッとすると
『だから、光秀さんを捕まえた
報告を待ってるよ!』
そう言って笑った。
『えー、何?そのプレッシャー!!
仕方ない!じゃ、家康の幸せの為にも
光秀をしっかり捕獲するわ。任せて!!』
ガッツポーズする小夏に
『ああ、頼んだよ!じゃ、またね』
『うん、気をつけて帰ってね!』
家康の背中を見送りながら
(あーぁ、いい男に育っちゃって・・・
それだけ、苦しめちゃったのかもね・・
ごめんね。私も勇気出すから!報告待ってて)
と、改めて光秀と向き合う決心をする
小夏だった。