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また、恋してくれますか。

第21章 また、恋してくれますか。


『小夏・・・』
(俺、自分のことばっかりで
全然、何も分かって無かったんだ・・)

涙をぬぐいながら、小夏は
(そうだよ、私が光秀と向き合わないで
逃げたから、家康を巻き込んだんだ。
ちゃんと向き合って、家康を解放しなきゃ)

『分かった。私の幸せが家康の解放なら
私は、光秀にちゃんと向き合うよ。
その結果がどうであっても、婚約は解消する。
それで納得してくれる?』

涙目ながら、何か吹っ切れたように
キリッとした表情になる小夏に

『でも、もし光秀さんと上手くいかなかったら
他の誰かと結婚するの?』と尋ねた。

『うーん』と考えながら
『たぶん、しない』と答える小夏に

『俺が婚約解消しない、もう一つの理由が
それだよ。俺は、徳川の家を守りたいんだ。
この先も途絶えることのないように、ずっと』

自分で口にしながら、家康は違和感を覚えた。
(伯父さんや伯母さんの為?母さんの為?
いや、なんか違う・・・もっとずっと奥から
込み上げて来る感じだ。絶対に徳川家を守り
存続させていかなきゃって、無性にそう
思ってしまう・・・なんでだろう?)

魂に刻まれた、約束ごとのように
無意識に思っていた、徳川の家を繋げて
いかなければならないと言う想い。

歴史に名を残す家だから、末裔だから
そんな上辺のものではない、誓いに等しい
強い想いが、自分の中に秘められている
ことに気づいた家康。
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