第21章 また、恋してくれますか。
『じゃ、政宗さん、御馳走様でした』
とペコッっと頭を下げる、桜奈と詩織、
『御馳走様』と家康も礼を言うと
『おっー!またみんなで食おうぜ!』
『いいですね!楽しみにしてます。
あと、店長のことお願いします。
プリン、すっごく美味しかったって
伝えて下さいね!』と桜奈。
『了解!任せろ。おまえらも気をつけて
帰れよ!じゃ、また明日な!』
政宗は、そう言って皆を見送った。
途中、詩織と別れ家に帰ってきた
家康と桜奈は
真っ暗な自宅をみて、今日と明日は
二人きりなのだと、再確認した。
ガチャっと玄関のドアを開け
『ただいまー』と入る桜奈。
すると桜奈に続き後から中に
入ってきた家康は『お帰り』と返事をして
くすっと笑った。
桜奈も微笑み返すと
『家康さんも、お帰りなさい。
今日は、無理矢理誘ってしまって
ごめんなさい。疲れましたよね?
あの、私、お風呂準備してきますね』
と、言って、バタバタとお風呂場に
行ってしまった。
家康も部屋に戻り着替えたあと
ベッドにどさっと仰向けになると
桜奈の色んな表情が次から次へと
思い出される。
美味しそうに焼肉を食べてる顔。
愛花に突っ込まれ、あわあわしてる顔。
辛さを隠し笑う顔。
デザートに目を輝かせ
揶揄われて、ぷぅっと膨れたかと思うと
ズーンと落ち込み
また、幸せそうにデザートを頬張る顔。
そして、今朝の自分を真っ直ぐに
見つめていた瞳。
くるくると変わる表情は
本当に忙しい。
そして、一瞬も見逃したくないほど
見入っていた気がした。