第21章 また、恋してくれますか。
『え゛!私そんな風に、みんなの目には
映ってるの?』と、恐る恐る
みんなの顔を見回すと
三人は、真顔になりながら
無言でうんうんとまた頷いた。
(ガーン!!どんだけ、食い意地張ってると
思われてんの私!!)
分かりやすく、ズーンと落ち込む桜奈。
『プッ』と家康が吹き出すと
政宗も詩織も『ププッ』と吹き出した。
『やだ、冗談に決まってるじゃない。
もう、真に受けすぎだよ。
お楽しみだったんでしょ!
さぁ、たべよ、たべよ!』と詩織。
『むぅー、納得はできない気もするけど
否定もしきれない。でも、まっ、でもいっか。
そう思われるくらい、スイーツ好きだし』
ニコニコしながら、プリンを見つめると
『頂きまーす』と、プリンを一口すくい
口に運んだ。
『んッーーーん!美味しい』
幸せそうな満面の笑みになり
いつもながら、見ているこちらまで
ほっこりする気持ちにさせられる。
家康も桜奈が作ってくれた
白玉きな粉餅を一口食べた。
美味かった。
自分を気遣い、自分の為だけに
作ってくれた桜奈の想いの
乗っかった、きな粉餅。
今までで、一番美味しくて
嬉しくて、頬が緩む。
満足そうに食べる家康を
チラッと盗み見た桜奈は
俯き加減で幸せそうに微笑んでいた。
あっという間に時間は過ぎ
楽しい余韻の残る中、焼肉パーティーは
お開きとなった。
ある程度の片付けを済ませると
時間は、21時を回っていた。