第21章 また、恋してくれますか。
ほんと可愛くない!とムキッーと膨れる
桜奈のその顔が見たかったと
言うように、クスクス笑う家康。
笑っているのに、どことなく
寂しそうに詩織には見えてしまった。
桜奈の気持ちは
図らずも家康に知られてしまった。
家康の桜奈への想いも今なら
手に取るように分かる。
でも、こんなに想い合っていても
両想いでも、一緒にいられないのかと
思うと、詩織は腹が立ってくるようだった。
(なんで、上手くいかないんだろ・・・)
『ハッー』とため息をつく、詩織の前にも
運ばれたプリン。
『どうした?腹いっぱいで食えないか?』
と政宗。
『うわっ、豪華なプリンアラモード!!
いやいや、女の子のデザートが入る場所は
別にあるんですよ?知らないんですか?』と
政宗を見上げクスッとした。
『いや、それは、ほら家康の分まで
食いそうな桜奈見てれば納得だよ。
あんな、華奢な身体のどこに入って
いくんだか。』
と、親指で桜奈と家康の方を指差し
答えた。
『そう、憎たらしいくらい華奢なんですけどね。
でも、内面も華奢なら家康さんも
ほっとけなくて、桜奈を選んで
くれたかな・・・』
『さぁな、でも、あいつはきっと譲らないよ。
自分が幸せになるのは、小夏さんの幸せを
見届けたあとに、なれたらなるって感じで
自分のことは、二の次、三の次だからな』